令和4年3月号 平栗彰子さん(ところざわインターナショナルファミリー(TIF)・元代表)

更新日:2022年10月26日

プロフィール

平栗彰子ひらぐりあきこさん

(緑町在住)

生まれは長野県飯田市。高校の英語教師に憧れ、英語に興味を持ったことから大学では英文科に進学。TIFのスタッフとして活動を続けながら、仲間と英語を学ぶ自主サークルを開催。観光で訪れた国で印象的だったのはギリシャ。余暇には、俳句を嗜む。

「国と国」ではなく「人と人」との付き合いを

これまでに1万人を超える外国人と交流をしてきた人物がいる。所沢インターナショナルファミリー(TIF)・元代表の平栗彰子さんだ。
TIFは昭和63年に発足し、モットーは「気楽に、気長に、気持ちよく」。所沢や近隣に住む外国人を対象に、日本語講習会や市民レベルでの交流を通じて親睦を深めている。平栗さんは発足後まもなく加入し、平成11年からは4年間、代表を務めた。現在もTIFの日本語スタッフとして活動を続けている。
長きに渡って外国人と交流を続けるきっかけとなった出会いがある。それは所沢に引っ越してくる前、今から約50年以上前のこと。夫の転勤先である新潟県の直江津市(現・上越市)で、近所の農家に嫁いできた一人のベトナム人女性と出会った。
きゃしゃな体型にも関わらず人一倍家事を頑張る働き者だった彼女。共に婦人会で親しく活動するうちに、できることを持ち寄って助け合う人間同士の付き合いに、国や文化の違いは関係ないのだと気付かされた。「今でこそ当たり前の『共生』の原点でした」と平栗さんは当時を振り返る。
新潟での経験から、所沢に移り住んだ後は、外国人と関わることがしたいと思うようになった。その時、発足したばかりのTIFの存在を市の広報紙で知ることとなる。
これまで延べ50カ国以上の外国人と交流してきた平栗さん。「自分ではそんなつもりはないのですが、日本語を教えた人たちからは今でも『先生』と呼ばれることもあります」と少し恥ずかしそうに話す。日本語を教えた台湾出身の人は、その後日本語教師となって、来日した人々に日本語を教えているという。「外国人であっても社会の中で役割を持ち、立場を確立してくれたら。その過程に少しでも携わることができたなら、これ以上の喜びはないです」。温かな瞳で語る。
たまたま生まれた場所が違うだけで相手は同じ人間、国が違うからといって分かり合えないはずはないと信じる平栗さん。はるばる所沢に来てくれたのだから、せっかくなら所沢を愛してほしい。外国人にとって所沢の印象を決めるものは所沢の「人」。結局はどこに住むかよりも誰と関わるか、「人と人」との付き合いが大事だという。
「近所の人に『こんにちは』と挨拶するのは当たり前。外国人が相手でも同じです。『今日は寒いですね』と会話を続ければ、それはもう『交流』といえるでしょう」。約6千人の外国人が暮らす所沢で、そんな光景が日常となる日を平栗さんは待ち望んでいる。
(取材:宮崎)

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