弘法の三ツ井戸

更新日:2019年10月16日

 武蔵野台地の中央部に位置する所沢は、地下水位が深いため、昭和12年に上水道がひかれるまでは、大変水利の悪いところでした。近隣の村では「所沢の火事は土で消す」という言葉もあったそうです。そんな水に苦労した所沢にあって、次のような伝説が残されています。
 夏のある日、1人の僧が民家に立ち寄り一杯の水を所望しました。そこで機を織っていた娘は、水を汲みに行きましたが、なかなか戻ってきません。不思議に思った僧は、帰ってきた娘にその訳を尋ねました。すると娘は、このあたりが昔から水に不便なこと、井戸まで遠くて苦労していることを語りました。それを聞いた僧は、立ち去る前に娘に三つの場所を杖で指し示し、そこに井戸を掘るようにと言い残していきました。半信半疑ながらも村人達がそこの場所を掘ると、深く掘ることもなく清らかな水がこんこんと湧き出しました。夏でも涸れることのないその井戸を、村人たちは「三ツ井戸」と呼び、誰言うともなくあの僧は弘法大師だという話が広まりました。
【指定年月日】昭和44年6月27日
【所在地】所沢市西所沢一丁目26番

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